1.シュート
シュートとはボールの内側を切るように投げることでピッチャーの利き腕の方向に切れ込むように曲がる変化球。
一般的なシュートは自分の利き腕側の打者が立ったときに投げると効果的とされている。

伝家の宝刀カミソリシュートで右打者のバットをへし折りまくった元大洋ホエールズの平松政次や、ドラフト外入団からジャイアンツのエースとなって活躍した西本聖、現役では150キロ台のシュートを投げる千葉ロッテの小林雅英が有名。
●シュートの投げ方
人差し指と中指をくっつけてボールの縫い目が人差し指に平行に引っかかるように握る。そしてボールの内側をなでるようにリリースする。決してやってはいけないのは腕を内側にひねること。これをやれば故障はもう目の前だ。
2.シンカー
シンカーは主にスリークオーターやサイドスローの投手が多く投げるシュート系の変化球。横手投げのため打者からみれば、ボールは沈むように変化するのでシンカーと名付けられた。スクリューボールは左投手が投げるシンカーのこと。
縦系の変化になるので、普通のシュートのように詰まらせて打ち取るというよりは、ゴロを打たせたり、三振を取ったりできる。
メジャーリーグでも活躍し、セーブ数の日本記録をもつ高津臣吾、西武黄金期の守護神潮崎哲也などが一流のシンカーの使い手である。
1.フォークボール
フォークボールはボールの回転を殺すことにより上方向へのマグナス力を消して、ボールを重力に任せて自然落下させる変化球で、縦系の変化球の王道だ。打者のバットはもちろん水平に振られるので、縦の変化には対応しにくい。三振をとるのに非常に有効なボールと言ってよい。
しかし、フォークボールは投げるには大きな手、長い指という持って生まれた素質が欠かせない。その上、ワンバウンドや暴投になりやすいリスクの高い変化球なので充分に習得してからでなければ使えない。
スピードのあるストレートとフォークボールがあればそうそう打たれない。
フォークボールで有名なのは、往年の大投手杉下茂、メジャーリーグでも大活躍した野茂英雄、佐々木主浩、ジャイアンツの上原浩治など。

●フォークボールの投げ方
人差し指と中指でボールの真ん中を挟み、ボールの下を親指で支える。 この2本の指の間を抜けるように投げれば、基本的なフォークボールが投げられる。
あとは自分で握りやリリースポイントをを調節して、キレの良いフォークを探すとよい。
2.スプリットフィンガードファーストボール(SFF)
スプリットフィンガードファーストボール(SFF)はフォークボールを投げる投手が少ないメジャーリーグでよく投げられている変化球。変化の度合いはフォークボールより小さく、ボール2、3個程度。つまりカットボールと同じように三振を取るというよりはバットの芯を外して打たせて取るための変化球と考えてよい。
できるだけ打者の近くで落ちるスプリットフィンガードファーストボール(SFF)が良質のものだ。ストレートだと思ったらSFFだったと打者に感じさせられればしめたもの。
日本では桑田真澄が「自分のフォークはSFF」と語っている。
●スプリットフィンガードファーストボール(SFF)の投げ方
フォークボールと同じようにボールを人差し指と中指ではさむが、指の付け根から指先まで全部を使ってボールを押さるようにする。そのためボールを挟む位置はフォークより上方になる。そのままストレートと同じように投げるとストレートほど上方への回転がかからなくなり、スプリットフィンガードファーストボール(SFF)となる。
3.チェンジアップ
チェンジアップとは、ストレートの回転数を落として打者の手元で失速させボールを沈ませる変化球。ピッチャーの手元を離れるときの初速はストレートと同じだがボール途中でボールにブレーキがかかるため、打者のミートタイミングを外すことができる。
チェンジアップは通常、ボールを鷲づかみにして投げるが、人差し指、中指、薬指を立てた状態で投げても同様の効果が得られる。この投げ方は別名パームボールとも呼ばれる。元祖八時半の男として巨人のストッパーで一世を風靡した宮田征典の決め球として有名になったが、今はチェンジアップと統合されている。
また、親指と人差し指で「OKマーク」を作り、その中からボールを通すようにして投げるとサークル・チェンジというチェンジアップになり、タイミングを外すことに加え、独特の変化をすることで知られている。その緻密な投球術から精密機械と呼ばれたグレッグマダックスが得意としていた変化球だ。
チェンジアップの使い手では他に5000奪三振のノーランライアン、日本人では今年からヤンキースで投げている井川慶が有名。
●チェンジアップの投げ方
ボールを指の腹でつかむように鷲づかみにして、抜いて回転を殺すイメージで投げる。チェンジアップはストレートと同じ腕の振りで投げ、握りのみで調整するのが理想だ。上述のパームボールのような握りでもかまわない。
4.2シーム
2シームとは微妙に沈むなどの変化をさせて、打者にゴロを打たせるための変化球。
その変化は微妙で投げた本人からは曲がっているのか確認が難しいと言われている。
●2シームの投げ方
ボールの縫い目に平行に人差し指と中指を乗せ、ストレートほどバックスピンをかけないイメージで投げる。
5.ジャイロボール
ジャイロボールとはボールの回転軸が正面、又はやや左右に傾いているボールのこと。
ジャイロボールには2シームジャイロと4シームジャイロの2種類がある。
2シームジャイロは、始めはストレートのように飛んできて打者手前で大きく減速するのが特徴。チェンジアップと比較して減速を始めるまではストレートのように見えるので、より打ち取りやすい変化球と言える。
●4シームジャイロとは
一般的なストレートに近いボールの握りで放たれたもので、打者側から見た時に、ボールが対称面を向けて前進する(ボール正面の縫い目等の模様が対称形)。球速が落ちないまま、ストレートのような上方へのマグナス力も働かないため高速フォークのように落ちる。
●2シームジャイロとは
ボールが非対称面を向けて前進する(ボール正面の縫い目等の模様が非対称)。一般的なストレートと同程度の空気抵抗を受け、しかもマグヌス力が働かないため、ストレートに比べてホームベースへの到達時間が遅れ、打者に対して待てども待てどもボールが来ない印象を与える。また回転軸にある特定の縫い目が来たときに独特の変化をする。
ジャイロボールは今年からボストンレッドソックスでプレーをしている松坂大輔の持ち球として有名だ。
●ジャイロボールの投げ方
4シームジャイロの握りはボールの対称面(縫い目が左右対称になっている面)が正面を向くように、2シームジャイロは握りは非対称面が正面に向くようなのなら何でも良い。問題は握りよりもリリースで、ジャイロリリースを行うこと。ジャイロリリースについては書籍「魔球の正体」に詳しく書いてあるので参考にするといいだろう。
1.スライダー
スライダーは横方向(又は斜め・縦方向)曲がる変化球。カーブが大きな弧を描いて曲がるのに対してスライダーははじめストレートのようにまっすぐ来て、バッターの近くで急に軌道を変えるのが特長だ。
スライダーは、右投手は右打者の外角・左打者の内角に、 左投手なら右打者の内角・左打者の外角というように自分の利き腕と反対のストライクゾーンに投げるのが最も効果的とされている。

スライダーを投げる投手は多いが、近年ではダルビッシュ有(日ハム)、新垣渚(ソフトバンク)などが鋭いスライダーを持っている。
●スライダーの投げ方
中指と薬指をボールの縫い目に垂直に掛け、人差し指はボールから若干離して握り、そのままストレートを投げる要領で投げると基本的なスライダーが投げられる。
2.カットボール
カットボールは変化の幅が小さいスライダーで、打者の手元でバットの芯から逃げるように変化するもの。変化する場所が打者のミートポイントから出来るだけ近い位置で、ボール1個分から2個分ほど変化をするのが良質のカットボールだ。
カットボールは三振を取ると言うよりは、打たせて取るために投げる球種とされている。
カットボールを投げる投手では、ヤンキースのマリアーノリベラ、中日の川上憲伸などが有名。
●カットボールの投げ方
右投手の場合ストレートの握りから人差し指と中指を若干右横にずらして握る(左投手なら左に)。そのままストレートと同じ投げ方をするとカットボールになりやすい。
カーブは変化球の基本中の基本とも呼べる変化球で、ピッチャーの手を離れたところから弧を描きながら曲がってくるもの。ほとんどの投手が最初に投げる変化球だ。
急速が遅くボールの軌道が見えやすいので比較的打たれやすい変化球だ。
しかしカーブと言っても変化の度合いの大きいもの、小さいもの、横に曲がる度合いの大きいもの、縦に割れるカーブなど千差万別。何種類かのカーブを使いこなせれば大きな武器になる。
カーブの使い手で特筆できるのは、今年(2007年)43歳を迎えてなお現役の工藤公康、130キロ以下のストレートと80キロ台のカーブで176勝を挙げた星野伸之などが挙げられる。

カーブの投げ方
ボールを握る時上下に縫い目を合わせ、右下の縫い目に親指を置き、左上の縫い目のすぐ上に人差し指を置き、同じく中指もすぐ斜め左下に置いて握る そして人差し指と中指がホーム方向を向いている時に抜いて投げると基本的なカーブが投げられる。手首を無理にひねらないようにするのがコツだ。
大きく変化するカーブの使い方
大きい変化をするカーブの場合、小さい変化のカーブの時とは違い、その球だけで打者の目を切ることが可能。そのため三振を取りたいときなどの決め球になりえる。大きなカーブの欠点は軌道が大きいため打者に見破られやすいこと。
従ってストレートとの使い分けが重要になる。つまり、速いストレートを持っていれば遅球であるこのカーブとの落差で打者は打ちにくくなる。ストレートのスピードが出なければ、スローカーブを使うことで同様の効果を得ることも可能。
小さく変化するカーブの使い方
カーブの変化が小さい場合は、その球だけで打者の目を切ることは困難だと考えたほうが無難。従って小さく変化するカーブを使う場合は、ストレートや別の変化球(スライダーやフォークボール)とのコンビネーション、つまり投球の組み立てがより重要になってくるのだ。三振を取るというより打たせて取るような使い方が有効だ。

